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  • 活動報告

2025/1/10

2024年プロトタイプ政策研究所全体会合の報告

    プロトタイプ政策研究所の2024年の活動を総括する全体会合が12月13日に開かれました。政策提言活動をはじめ、社会課題を解決するため2024年に行った活動を振り返り、2025年に向けどのような活動を行っていくか議論しました。

    2024年プロトタイプ政策研究所・活動報告

    まず、2024年のプロトタイプ政策研究所の活動報告が所長の落合からなされた。以下はその抜粋である。

    ●政策提言等

    2023年の全体会合での議論を踏まえ、年前半に複数出すことができた。

    因島合宿にて議論をした「供給制約社会における規制改革メモ」を規制改革推進会議の本会議で提出した。どのような観点で規制改革においてデータを使うのか、あるいは「リスクベースで」という時、どういった議論していけばいいのかをまとめている。それに加えて、公務員の人事制度改革や共同行為など、広い範囲で意味のある議論を出せたのではないかと考えている。

    また、災害等が発生した際、不動産の権利性が強いことで復興に妨げが起こる場面や所有者不明の不動産の扱いに関する課題もあり、そのようなことも合宿中に議論し意見を提出している。

    ●セミナー等の登壇

    研究所として比較的大規模に行ったセミナー等としては、7月20日に京都大学法政策共同研究センターと共催した「法の支配のデジタル化~Agile Govenrnance,Data Free Flow with Trust,Value of Statstical Life,Regulatory Sandbox~」がある。研究所の研究会メンバーの他、西山圭太氏(東京大学未来ビジョン研究センター 客員教授)、目黒麻生子氏(デジタル庁企画官)、宍戸常寿氏(東京大学大学院法学政治学研究科 法曹養成専攻公法系講座 教授)、山田哲史氏(京都大学 大学院法学研究科附属法政策共同研究センター教授)、中原裕彦氏(内閣官房審議官)に登壇いただいた。

    また、2024年に実施した交流会・意見交換会は以下のとおりである。

    2024年の活動の振り返りと今後注力したいポイント

    小泉誠

    今年はグリーントランスフォーメーション(以下、GXという。)の人材のスキル標準を作成していた。GXリーグの中から50社ほどメンバーを募集し、さまざまな企業の方と毎月議論をして現在完成に近づいている。目的は労働市場と人材育成を繋げること。今曖昧になっている業務の標準化、人材の類型化をして、それらのレベルを定義するといった、細かいデータ以前の標準化を行う活動が重要なのではないかと感じている。

    南知果

    留学後、経済産業省のスタートアップ創出推進室で仕事をしていたが、2024年の年末に任期が終わる。官僚を経験したことで政策形成や公務員の人事制度改革に関心があり、政策作成のインセンティブ不足や意思決定の曖昧さに課題を感じた。来年から弁護士に戻るので、民間視点で政策形成のあり方を考える機会を増やしたいと考えている。

    陶山祐司

    経産省・VCを経て社会起業家の支援を行いながら、慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科で博士課程の研究に取り組んでいる。プロト研は11月から本格的に参画し活動を開始。関心領域は非営利・行政・政治の経営改革で、民間と非営利・行政・政治の世界は、「経営」という観点から見て共通点が多いとも実感している。公務員制度改革などにも注目しており、首長や副首長など、自治体の経営幹部レベルの方との意見交換も行っている。

    クロサカタツヤ

    今年は直近3年取り組んでいた放送局のブロードバンド代替や設備共用等のインフラ集約、偽誤情報対策・ビットワット連携(通信インフラと電力インフラの連携)等に注力。慶應義塾大学に新設されたX Dignityセンター副センター長に就任。また、ジョージタウン大学の客員研究員、バージニア工科大学の客員研究員を務めるため米国に移住した。米国は、自分の予想より業界団体が規律を作ろうとする動きが強い。日本でもガバナンスとエンフォースメントを強化すべき、また、公益と内需をバランスすることも重要であると考えている。

    羽深宏樹

    京都大学特任教授としての活動に加え、スマートガバナンス社で民間の立場からAI・データガバナンスの実装、政策提言や各国情勢の分析を行った。研究を続けるなかでAIをツール・きっかけとして社会全体の発展を考える重要性を再認識している。また、世界的に見るとガバナンスイノベーション・アジャイルガバナンスとして我々が以前から示してきた枠組みまでの道のりにはどこも課題を持っていると感じている。その意味では日本が良い意味で改革的なことを起こせるチャンスが大いにあるのではないか。

    小泉美果

    今年は300名以下の事業主や個人事業主のデジタル化を支援するための取り組みを行い、業務の標準化やインセンティブ設計に注力した。青色申告者への控除額増加などの税制改正要望を通じて、デジタル化促進を推進。また、データ標準化に関する委員会設立を見据えた未来構想にも着手した。今年の印象として、役所と業界団体双方で税制改正の対話が進展したことを大きな成果と感じている。

    朝比奈一郎

    今年は多岐にわたる活動を通じて、日本と地域社会の活性化、リーダーシップ育成、政府改革、グローバル連携に取り組んできた。主宰するリーダー塾は14期目に。政治家や起業家を輩出し、教育を通じた人材育成に注力。地域では各地のアドバイザーとして経済活性化や公務員の採用制度改革を推進した。政府関係では、公務員制度改革や少子化対策、ベンチャー支援の提言等を行い、新たな政策形成を模索した。皆さんと一緒にまた日本と世界を良くすることができればと考えている。

    2025年の活動に関する議論

    2025年のプロトタイプ政策研究所が活動するにあたり、どんな議論や活動をしていくべきか、会合参加者と意見を交わした。要旨および発言者は以下のとおり。

    ・技術や社会課題の専門分化が進む中で、AI、Web3、人権、サステナビリティ、安全保障など多様な切り口を俯瞰し、それぞれの共通点や視点を深く理解しながら、統合的かつ柔軟に運用する方法が求められるように感じている。多様な専門性を結びつけ、一つのストーリーとして描き、アップデートしていけるとよいのでは。(羽深

    ・何をやるかよりも、アイディアベースでの意見を交わす時間と場所を積極的に作っていきたい。これだけのメンバーが集まっているので、そこでの集合知はかなりのものになるはず。また、それを発信していく仕組みも作っていきたい。(小泉誠

    ・「供給制約社会における規制改革メモ」が実装できるように進められればいいのでは。きっと霞が関にも永田町にも共感してくれる人が多くいそうだと感じている。(

    ・今日皆さんのお話を伺うと、それぞれの分野でビジョンを持って仕事をされていて、「良いことをしたい、楽しい未来を作りたい」という思いは、完全に共通している。それをもっと表現する方法を考えたい。映画はどうか?(クロサカ

    ・モデル地域を作り、これまで議論してきたさまざまなアイディアを実装していきたい。市町村単位でもその一部でもいいが、小さな成功例を生み出していければ。(朝比奈

    研究員より

    副所長・谷崎研一

    2025年は、引き続き、

    ・金融分野におけるAI利用、情報利活用

    ・サステナ関連ファイナンス案件の動向注視

    ・欧州におけるCSRD、ESRSの実務運用

    ・日本及び海外における環境価値取引の動向

    についての研究に注力していきたいと考えている。

    主任研究員・荏畑龍太郎

    全体会合では、有識者メンバーの方々から2024年の振り返りと今後注力したいポイントに関して貴重なコメントがあり、そこから展開する形で様々な視点から議論がなされた。とりわけ、「供給制約社会での規制改革メモ」でも指摘されている公務員制度改革に関する論点は、関心が高いという印象を受けた。グレーゾーン解消制度、規制のサンドボックス制度などの企業単位の規制改革制度を活用することや、規制改革推進会議等の会議体において規制改革を推進していくにあたっては、規制を所管する省庁側において、規制の見直しを自ら行うインセンティブがない点が課題の一つとなっていると認識している。今後も、プロトタイプ政策研究所における公務員制度会改革に関する議論等を通じて、規制改革の推進に向けたインセンティブ設計などの議論の進展を注視していきたい。

    主任研究員・平山達大

    2025年は、引き続き、金融分野におけるAI利用、情報利活用について研究をするだけにとどまらず、諸外国のAI規制の動向もあわせて注視し、AIと法規制についての研究に注力していきたいと考えている。また、技術の進歩が日々ある一方で、新たな社会課題が指摘されていると認識しており、規制改革推進会議等での議論の進展を注視していきたいと考えている。

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